正しい洗顔の方法、ご存知ですか?

誰にも欠かせない朝晩の洗顔。実際は時間の無さや疲れでおざなりになってしまうこともあるのだと思います。毎回完璧に!とはなかなか言えないのがわたしたち現代人の現状かもしれませんが、正しい洗顔法を知っていれば、洗顔に対する効果を実感でき、積極的に時間を確保して素敵なお肌をキープするモチベーションになるかもしれません。「もちろん知っています!」という方も、レビューとして是非ご確認ください。Sphereの「塩石けん」を使用する際の洗顔法についてのお知らせです。

泡立てネットをつかってしっかりと泡立て生クリームのような泡をたっぷりと

Sphereのフェイシャル・ソルト・ソープは、素材を真空加圧で閉じ込めた、水分が非常に少ない石けんです。ご使用の際は、泡立てネットを使ってしっかりと泡立てを行いましょう。付属の、もしくはお手持ちの洗顔ネットで石けんを泡立てます。石けんをお湯で濡らし、お湯を少しずつくわえて、ゆっくりと、ツノが立つ程の濃い泡をつくります。お湯は季節を問わず、ぬるいと感じるくらいの温度(32℃前後)が適切です。

お肌を擦らずに、泡をのせるだけ海塩たっぷりの泡の浸透圧で汚れを浮かせて、内側の水分を引き出す

泡がたっぷりできたらおでこから鼻と小鼻へ、次に頬や顎へとフェイスラインに沿って泡をのせていきます。擦らずにのせるだけで大丈夫です。見落としがちな小鼻や口元にもしっかりと。 泡をのせたら、手が肌に触れないよう泡をサンドイッチするように優しく洗います。その後30秒~1分ほどじっと待ち、泡パックを行うと尚良いでしょう。石けんの泡の力で自然と汚れが落ちて、肌の内側の水分を引き出しはじめます。

すすぎやタオルドライも大切。桃の実をあつかうように、ゆっくりと丁寧に。

その後、たくさんのぬるま湯かお水で洗い残しのないように顔をすすぎます。この時もお肌を擦ることがないように気をつけましょう。水をすくった手を顔に当てないようにしながら、顔の両側(左右)に手を運ぶのがコツです。洗顔後はタオルを顔にあてて、タオルに水分を吸い取らせるイメージで拭いていきます。ここでもタオルで肌をゴシゴシと擦るように拭かないように注意します。お肌を桃の実をあつかうように優しくケアするのがポイントです。

洗顔後は毎回アフター・ケアを。就寝前の洗顔後もアフター・ケアは必要です。

洗顔後のお肌はコンディションの良い表皮がむき出しの状態。朝のメイク・アップ前はもちろん、就寝前の洗顔でもアフター・ケアを怠るとせっかくの洗顔の効果が薄れてしまうことがあります。お手持ちの化粧水や乳液でお肌を保護し、整えましょう。毎回根気よく続けることができれば、翌朝のお肌のコンディションや、メイクの調子が徐々に良くなっていきます。

毎日の洗顔時、「おや?肌の調子が……」
と思った時に振り返りたい

良いお肌を確認するための2つのチェック・ポイント

お肌の調子がイマイチなのだけれど、原因がわからず、どんなスキン・ケアが必要なのか迷ってしまうことがあなたにもあるかもしれません。ここでは、良いお肌を確認するための主なチェック・ポイントを2点と、不調時の参考になるお肌の様子について簡単に整理しています。

  • お肌の質感について

    お肌を鏡でチェック
    透明感を感じる=肌にツヤがありキメが整っている
    手のひらでお肌に触れてチェック
    しっとりと潤いがあり、柔らかい。
    お肌の様子
    角層や表皮の状態に着目しましょう。角層に十分な水分が保たれている状態です。素肌に手をあてたとき、「モチッ」っと吸い付くときは肌に潤いがあるときです。「サラッ」としているときは、水分不足です。また表皮のターンオーバーが順調で、角層の肥厚がなく、メラニンの代謝も順調です。お肌のくすみや血色の悪さが気になる際は、ターンオーバーの改善を試みましょう。
  • お肌の色味や弾力について

    お肌を鏡でチェック
    顔色が健康的で、目立つシワやたるみがない。
    手のひらでお肌に触れてチェック
    弾力と温かさを感じる。
    お肌の様子
    真皮の働きが良く血液循環も良好コラーゲン・エラスチン・基質などが十分に生成されている状況です。
    常に真皮までを意識したスキン・ケアを意識すれば、ハリや弾力、血色をよくキープすることができます。

本当はここまで意識したい、わたしたちの「お肌の仕組み」

本当はここまで意識したい、わたしたちの「お肌の仕組み」

「正しい洗顔法」は、わたしたちの皮膚の生理学的な構造に依っています。科学的に皮膚を見つめていくことで、わたしたちは洗顔をどのように行えば良いのか判断することができるのです。生理学と聞くと、とても難しく感じますが、ここではその中でも「体を『ありのまま』に戻す力」についてのお話をしたいと思います。風邪をひいたときに熱が上がるのは熱が風邪の原因となる菌と戦っているという話をみなさんもご存知だと思います。これが、わたしたちが本来持っている自己治癒力です。私たちのお肌にもこのような自己治癒力が存在しています。

しかし、年齢を重ねるにつれて風邪が治りにくくなるように、お肌の自己治癒力も、年を経るにつれて弱まっていきます。そこ����この力を少しでも高めるようなケアが求められるのです。それは「美肌」という点においては血行を良くし、栄養をたっぷり補給することで新陳代謝のパワーをサポートします。「正しい洗顔法」とは、お肌の自己治癒力をサポートするために必要な洗顔のメソッドなのです。

わたしたちの皮膚の構造

わたしたちが注目すべき、皮膚の生理

皮膚の厚さはたった2ミリ。薄い組織と誰もが知っていても、具体的に数値で示されると改めてケアの重要性を感じるものです。
でも、皮膚は一枚の単純な構造ではありません。図のように、私たちの身体を守るためにとても複雑な構造になっています。その中でもスキン・ケア行う上で認識しておきたいのは「皮脂膜」・「表皮」・「真皮」・「血液促進」の4つの要素です。

皮脂膜(ひしまく)
汗腺からの水分と皮脂腺からの皮脂でできる天然のクリームのバリア
表皮(ひょうひ)
外敵からお肌を守る保湿・バリア機能をもった組織。
「しっとりしている」「きめが整っている」と感じるのはこの表皮のコンディションのこと。
真皮(しんぴ)
表皮の下にある組織。コラーゲンやエラスチンが在り、美肌に必要なお肌のハリや弾力のもととなる。
毛細血管を通じてお肌の細胞に栄養を運ぶのも重要な役割。
皮下組織
脂肪細胞で構成され、お肌のクッションの役割を果たす。女性の「曲線美」のもととなると言われている。

ホメオスタシス(恒常性)を意識する

私たちの体には自己治癒力が秘められている

ホメオスタシスのそもそもの意味は「恒常性」です。皮膚に限って言えば、長時間陽射しの下にいるとき、冷房や暖房で乾燥しやすい空間にいるときなど、外部要因でお肌が何らかの影響を受けるときでも、皮膚を健全な状態に保とうする働きのことです。ホメオスタシスが正常に機能することで、わたしたちの皮膚は健全に保たれます。

皮膚のホメオスタシス(恒常性)が保たれるには

上に挙げたお肌を正常に保つのに大切な要素のほか、皮膚のすべての組織は人体と同じく互いが密接に連動しています。つまり、どこかひとつのセクションが悪影響を受けてしまうと他のセクションにも悪影響がでてしまい、私たちが見たり感じたりすることができるお肌の主張が現れることもあります。逆に言えば、必要な血液が皮膚組織に届き、日々の暮らしで肌に悪影響が出ないように配慮すれば好ましい影響が各セクションに届けられ、皮膚に適切な恒常性が維持され、健やかなお肌が保たれます。

*1 角層
表皮の一番下にある基底層より生まれた細胞が、変化を遂げながら表皮の上部まで移動して角層となる。角層には表皮の一番外側の組織としてのバリア機能や水分を皮膚の内側に保持する重要な機能がある。

皮脂膜、人間が生み出す天然のスキン・クリーム

皮脂膜、人間が生み出す天然のスキン・クリーム

お肌の表面を覆い、
水分の蒸発を防ぐ弱酸性のバリア

私たちの皮膚には汗の穴と皮脂の穴があります。汗の穴の奥にある汗腺から水分が、そして毛穴の奥にある皮脂腺からの皮脂が分泌され、皮膚の表面にできるクリーム状の物質が皮脂膜です。人間の生理機能だけでできるので天然のクリームとも言えるでしょう。

お肌に潤いを感じる要因のひとつは、皮脂膜が角層でキープされている水分の蒸発を防ぐ働きをするからです。また、弱酸性である皮脂膜はこのようなお肌を保湿する役割と同時に、外部の異物からお肌を守るバリアの役割も果たします。お肌の自己治癒力が不足しているときは、皮脂膜のクリームをつくる力も落ちてゆき「肌悩み」の原因にもなります。皮脂膜を皮膚の表面につねにキープできるケアが、美肌への第一歩です。

  • 皮脂膜(ひしまく)
  • 表皮(ひょうひ)
  • 真皮(しんぴ)
  • 皮下組織

表皮、ターンオーバーのポイント

表皮内でお肌の細胞が生まれ、剥がれ落ちていく
「ターンオーバー」のサイクルが繰り返される

表皮は厚みが0.2ミリしかない非常に薄い組織ですが、ここでみなさんも聞いたことがある「ターンオーバー」が起こります。表皮の一番下にある「基底層」から新しい細胞が生まれ、その細胞は分裂し、細胞そのものの役割を変えながら「有棘層」と「顆粒層」を通過し、表皮の一番上にある「角層」を構成します。新しい細胞の誕生から、その細胞が角層を構成するまでに約14日間かかり、その細胞は角層にさらに14日間留まり、その後、垢となって皮膚から剥がれ落ちます。これは所謂「ターンオーバー」の大筋です。

年齢を重ね、自己治癒力が低下したケースでは、ターンオーバーのサイクルが30日間、40日間と伸びてゆき、これが「肌悩み」の原因となります。したがって、この新しい細胞の誕生より皮膚からの離脱までの28日間のサイクルが健全に進行することは健やかなお肌には大切なことです。

ターンオーバーの仕組み

  • 皮脂膜(ひしまく)
  • 表皮(ひょうひ)
  • 真皮(しんぴ)
  • 皮下組織

真皮はお肌の中核的なセクション

お肌の毛細血管が集中、栄養を届ける
お肌の弾力のもととなる
コラーゲン(*1)やエラスチン(*2)もここに

真皮は、私たちが感じるお肌の感触の部分で言う「ハリ・弾力」、見える部分で言う「血色」を反映する組織です。表皮の下にあり、表皮のターンオーバーによる28日のサイクルとは大きく異なり、数年~数十年をかけて細胞が入れ替わる部分で、同じく表皮とは異なり、わたしたちは真皮を手で触れることはできません。真皮の重要な役割は、ここに存在する毛細血管によりお肌に栄養を行き渡らせることです。この機能が十分に果たされると、真皮内のコラーゲンやエラスチンに対して指示を送る線維芽細胞(*3)という細胞の働きが活発になり、その結果、お肌にハリや弾力が生まれます。一般にコラーゲンが美容において重要視される傾向があるのは、コラーゲンの不足により真皮が衰え、ハリ・弾力がなくなることでシワができてしまう方です。 あわせて、血行が良くなることでお顔の血色が良くなり、ハリ・弾力とあわせてお顔の表情がさらに豊かなものになります。

*1 コラーゲン
わたしたちの体を構成するタンパク質の約30%はコラーゲンですが、真皮の繊維については、その90%がコラーゲンで占められています。コラーゲン繊維は極めて強靭でお肌の力学的な強度を保ち肌のハリに良い影響を及ぼします。

*2 エラスチン
硬タンパク質の一種で、コラーゲン程強靭ではないものの、ゴムのような弾力性によって皮膚の弾性を保つ力があります。

*3 線維芽細胞
コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸といった真皮こう構成する成分を生み出す細胞です。線維芽細胞の活動が活発であれば、コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸などが適正に真皮に生成され、お肌のハリ・ツヤを生み出します。

  • 皮脂膜(ひしまく)
  • 表皮(ひょうひ)
  • 真皮(しんぴ)
  • 皮下組織

血液の巡り

コスメティック・アイテムはサポート役
お肌は血液からの栄養で健やかに

私たちは、お肌のことになると、すぐにコスメティック・アイテムのことを考えがちです。しかしこれまでにお知らせしたように、本来お肌は人間の血液から栄養をうけとることで、健やかな状態を保とうと働きます。これはわたしたちのお知らせするお肌の自己治癒力です。

つまり、スキン・ケアにおいて最も重要なのは、コスメティック・アイテムを使用する前の自分の健康状態。お肌の輝きを保てるように日々健康な暮らしを送っているかどうかを見直すという作業が何よりも大切なことになります。そうすることで、わたしたちは自分の内側の力をつかってキレイになろうとするのです。お肌に適切な血液と栄養を届けられるように毎日の生活習慣、お食事やエクササイズについて一考することを、何よりもまずわたしたちはおすすめしたいと考えています。

お肌は繊細で奥が深いだからこそ楽しみたいスキン・ケア

お肌はわたしたちの身体の一部。その構造はここでお知らせしたものよりももちろん複雑で難しいものです。奥深い身体と自分が対峙しているようで「本当に今のスキン・ケアで大丈夫なのか?」と思われる方も多くいらっしゃるのかもしれません。

でも、こうやって少しずつ本当のお肌のことを知りながらスキン・ケアを行うと、まるで肌と対話をしているような充実感が生まれ、どんどん楽しくなってゆくもの。無理のない範囲で学びを増やし、より本質的な美しさへ、わたしたち自身も進んでいきましょう。

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